ネットいじめの増加

文部科学省の問題行動・不登校調査によれば、全国で認知されるいじめ件数は、2021年度に61万5,351件で過去最多を更新しています。2020年度は新型コロナウイルスの影響もあり、51万7,163件で前年度から約15%減りましたが、2年ぶりに増加に転じています。
パソコンや携帯電話などでの中傷や嫌がらせ(ネットいじめ)は2万1,900件と、前年度から16%増えています。5年前から倍増しています。スマートフォンの普及が小中学生にも進んだほか、タブレット端末の配備を進める国の施策などもあり、ネット上のやりとりがより身近になっています。
2013年のいじめ防止策推進法の施行以来、教育現場に調査などが義務化されました。その後も子どもが自殺したり、不登校になったりする事案は後を絶たず、各地の第三者委員会により学校側の対応の不備が度々指摘される現状があります。近年、被害者側が民間の探偵に駆け込むケースが増えています。探偵が頼られるのは、学校が被害者に寄り添った対応をしていないことも関係しています。子どもの話を聞く専門家であるスクールカウンセラーなど、教員以外の大人も関わっていく必要があります。

(2022年12月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。