遺伝子組み換えや細胞培養でつくるバイオ医薬品の市場で、品質や有効性が同等の後発薬が普及してきています。特許の切れた先発薬からの切り替えによる医療費の削減額は、2024年に初めて1000億円を超えました。現状は海外での製造が多いため、厚生労働省は、安定供給に向けて国内生産の設備への補助を始めました。
バイオ医薬品は研究開発コストがかさみ、公定の薬価が高額になることが多いため、後発薬に切り替えると医療費削減の効果が大きくなります。先発薬と比べた削減効果は2024年に1,103億円で、2017年は87億円に比べると2桁の伸び率が続いています。
政府は社会保障費の伸びを抑えるため薬価を毎年引き下げており、2025年度改定は、約2,500億円の削減効果を見込んでいます。この2分の1に匹敵する額がバイオ後発薬への切り替えで節約できています。

(2025年7月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)