バイオ3Dプリンターによる神経再生

京都大学あの研究グループは、患者本人の細胞を材料にするバイオ3Dプリンターで作った組織を患者に移植して神経再生を促す世界初の企業治験を近く始めています。治験では、手の指などの神経を損傷した患者から細胞を採取し、工場のプリンターで細い管を作製します。医療機関で移植し、安全性や有効性を確かめます。
怪我で手の指や手首や付近の神経を損傷した30~50代の男性3人の皮膚から細胞を採って、プリンターで管を作って移植すると、神経が再生するのが確認できました。3人とも機能が戻り仕事に復帰しています。指先の感覚がほぼ通常に戻り、合併症などもなかったとしています。
末梢神経だけではなく、脚や顔面の神経など、広範に応用が可能です。材料は患者の細胞だけなので拒絶反応や炎症、感染症などが起こるリスクが低減できます。佐賀大学などもこのプリンターを使って血管や軟骨を再生する臨床研究を進めています。

(2024年4月5日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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