国土交通省の調査によれば、バスは2008年度から2022年度までに全国で約2万㎞の路線が廃止になっています。日本バス協会によれば、全国の路線バスの赤字は2022年度までの3年間で4,000億円に上ります。運転手不足は2025年に2万3,000人、2030年には3万6,000人になると試算されています。
住民の新たな移動手段として、事前予約して指定の場所まで複数人が乗り合うデマンドタクシーの活用が首都圏で広がっています。実証実験などを経て、本格的な運行に移行した自治体もあります。運転手不足などを背景に路線バスの廃止や減便が相次ぐなか、生活への影響が大きい交通空白地帯を埋める狙いがあります。
デマンドタクシーとは、予約型の乗り合いタクシーで、利用者の希望に応じて運行時刻や乗降場所が変わります。地域の特性に応じた運行が可能で、廃止や減便が相次ぐ路線バスに代わる住民の交通手段として導入例が増えています。料金も通常のタクシーと比べて割安で、子連れの移動も可能です。
(2025年1月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)