ヤマハ発動機スポーツ振興財団の調査によれば、過去5大会分のパラリンピックに関するテレビ放送時間は、北京は約56時間、ロンドンは約78時間だったのですが、東京大会の招致が決まった後のリオは約234時間と急伸しました。東京も約230時間でした。2024年のパリは約77時間と、ロンドンとお同程度まで減少していました。
時期別に見ると、リオは大会中の約64時間より開催後の約108時間の方が長く、東京は大会中が約122時間と最長でした。番組別では、ニュースや情報・バラエティー番組はリオが、スポーツ番組は東京がそれぞれ最長でした。パリ大会後の感想などの調査によれば、東京大会後と比べると、障害者スポーツを観戦したい、体験したい、ボランティアをしたいの項目がいずれも減少していたことが分かりました。
日本のパラスポーツの現状を示しており、東京大会がいかに特別だったかもうかがえます。一方、パラ競技の結果や戦術がスポーツニュースで取り上げられるなど、報道の質も変化しています。情報の受け手の意識も少しずつ変わっている中、報道され続けることが大切です。

(2025年3月12日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)