深刻な人手不足を背景に、パートなど非正規労働者の賃上げの動きが広がっています。今春のパートの賃上げ率が初めて正社員を上回りました。アルバイトの時給も上昇しています。パートなどで働く配偶者の収入増で世帯収入が増えれば、力強さを欠く消費の下支え要因となると考えられています。
総務省の家計調査によると、2人以上の勤労者世帯の1カ月当たりの給与収入は、2015年に48万5,595円と、2011年に比べて約1万2,500円増えています。なかでも配偶者の収入は、月平均6万4,768円と1万円以上増えて過去最高でした。パート・アルバイトの給与水準や待遇の改善が続けば、世帯としての収入増につながると思われます。
(2016年6月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)