働き方改革が広がる中、仕事が早く終っても真っすぐ家に帰らないサラリーマンが増えてきています。長時間労働が減り、退社後、自由な時間が持てるサラリーマン相対的に増えてきています。その時間を持てあまし。飲食店や娯楽施設で暇つぶしに興じてから帰宅するサラリーマンをフラリーマンと呼びます。
日本では、勤務時間の長さで評価する企業体質と、育児=女性という考え方が根付いてきました。いわゆる性別役割分担意識です。急に育児や家事をやれと言われてもできない、家庭において生ずる様々な問題に対して関わりたくないなどの意識がフラリーマンを生み出しているのです。しかし、その陰には、ワンオペ育児に苦しみ、仕事と家庭に引き裂かれる思いに悩む女性がいます。
わが国の男性の子どもの育児や家事に割く時間は、女性に比して圧倒的に少なくなっています。また男性の育休取得率も少しずつ増えてきていますが、出生後1ケ月以内に限定されています。妊娠前より夫婦で妊娠中、出産後をどのように役割分担するのかを十分に話し合っておく必要があります。そのためには、フラリーマンを作らない提言は大切です。
(2018年2月26日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)