フードバンクの認証制度

 消費者庁は、企業や家庭から余った食品を引き取り、生活困窮者らの支援団体に無償提供するフードバンクの認証制度を創設します。2025年度に実証実験を行い、2026年度にも本格導入します。集めた食品を適切に管理している団体にお墨付きを与え、企業などが安心して寄付できる環境をつくります。

 国は、生活困窮者対策や食品ロス対策として活動を後押ししており、団体数は2023年時点で252と10年前と比べて5.6倍に増えています。食品の取扱量も伸びています。実際に寄付の規模は海外に比べるとまだまだ小さく、消費者庁によれば、英国では年間17万トン、フランスでは11.5万トンの寄付に対し、日本は推計1万トン程度にとどまっています。

 食品ロスは、2022年度に国内で472万トンで、経済損失に換算すると4兆円に上り、1人あたりの損失は年間3万円を超えています。事業者が安心して大口の食品寄付ができる環境を整え、困窮家庭の支援や食品ロスの削減につなげていくことが大切です。消費者庁などは万が一食中毒などの被害が発生した場合に備え、フードバンクなどに保険に加入することも勧めています。

(2025年3月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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