日本スポーツ振興センター(JSC)の学校事故データを産業技術総合研究所の分析によれば、小中学校の授業で禁じられた飛び込みによる事故は、2014~2016年度に42件起きていました。教員が指導していた例もあります。文部科学省やスポーツ庁は、2010年度から毎年、小中学校の授業で飛び込ませないよう通知してきています。しかし、通知が形骸化している面も否めません。飛び込みが禁じられていない部活動では、事故はさらに多くなっています。産業技術総合研究所の分析では2016年度までの3年間で157件にのぼっています。
相次ぐ飛び込み事故を受け、国は学習指導要領を改訂しています。小学校は2011年度、中学校は2012年度から授業での飛び込みを禁じています。飛び込みの危険性について、教育委員会も現場の教師も十分に理解していないところがあります。少なくともスタート台から5、6メートルまでの水深が1.5メートル以上のプールを地域で確保し、各学校が交代で飛び込みの練習をすることが望ましいです。
(2019年5月21日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)