スタートアップに資金を供給して成長を支えるベンチャーキャピタルで、女性が活躍の場を広げています。投資担当者の女性比率は2025年で2割に迫るほか、女性が設立したベンチャーキャピタルも増えています。出産・育児など生活者としての多様な視点も生かし、有望なスタートアップの発掘に貢献しています。一般企業では部長級以上に相当する意思決定者の女性比率も2025年は9%と、5年前の2.4%から上昇しています。しかし、米国の17.3%、欧州の15%に比べるとまだ低率です。
業界に女性が増えることの利点は、投資判断における多様性の確保です。男性と女性の両方がいる投資チームの利回りを示す内部収益率(中央値)は19%で、男性のみのチームに比べて4ポイント高いとの結果が出ています。投資分野が集中するリスクも低率です。出産・育児や健康などの問題に取り組む企業を発掘し、積極投資する動きも広がります。
女性もキャピタリストの88%は、女性だからこその働きづらさを感じています。その理由は、男性中心のイベントや交流の場が76%と最多で、交流や飲み会の場に呼ばれないが56%、社内にロールモデルがないが32%と続いています。女性キャピタリストが少ないことなどで、女性起業家が違和感を覚えるケースもあります。女性起業家の4割がジェンダーによる対応の違いを感じています。投資家の立場が強い業界のため、セクハラまがいの言動なども根強いとされています。
(2026年2月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)









