先日発表されたLancetの論文では、閉経後5年未満のホルモン補充療法を受けた女性で、卵巣癌リスクが40%上昇することが発表されています。リスク上昇は統計学的に有意ですが、リスクそのものは小さく、50歳で5年間治療を受けた場合、卵巣癌の診断は100人に1人、卵巣癌による死亡は1700人に1人増加するという内容です。現在のところ、ホルモン補充療法と卵巣癌発症との医学的因果関係は不明であり、医学的が統計により有意義がでたというものです。この点については、さらなる検証が必要です。現在、日本女性医学学会でも検討を行っており、いずれこの論文に対する見解が発表されることになっています。
Lancel 2015 Feb12
(吉村 やすのり)