18歳人口の減少
1990年には約200万人いた18歳人口は、2020年には約116万人と、約4割減少しています。一方で、大学の総数は507から786へと、約5割増加しています。人口減少の局面にありながら、いまだに大学は増加しています。国立大学は、各都道府県に1つ以上設置され、現在86校あります。この数は2008年以降変わっておらず、定員数もこの15年で約1％しか減少していません。公立大学は、1989年には39校でしたが、2006年には国立大学の数を上回り、現在全国に93と、一部統合はありましたが、この30年で2倍以上に増えています。
私立大学も新設が進んでいます。しかし、約600ある大学のうち、約3割が定員割れしています。また赤字経営の大学も約4割に上っています。経営維持のために入学のレベルを下げてまで学生を集め、一方で優秀な教員が集まりにくくなるなど、教育の質の低下も懸念されています。
（Wedge August 2020）
（吉村 やすのり）
