プラスチックごみなどが壊れてできる5㎜以下の微小なマイクロプラスチックは、世界各地の魚介類に含まれています。英ハル大などの調査によれば、人間は、食事を通じて1人当たり年間5万個を超える微小プラを摂取している恐れがあるとされています。シーフードを好んで食べる日本の摂取量は、最大13万個に及ぶと推定しています。
含まれる微小プラの量が最も多かったシーフードは、中国で売られていた二枚貝で、アジア諸国の貝類は多い傾向があります。濃度が最も高かった中国のサルボウガイでは、1g当たり10.5個見つかっています。甲殻類では最大8.6個、魚では同2.9個でした。日本の東京湾で捕れたカタクチイワシからも、1匹当たり2.3個見つかったとしています。
人間1人が摂取する量の世界平均は、年間最大約5万4千個に上ると推定されています。国や地域別では、マカオや香港、韓国、中国本土のほか、ノルウェーやスペインの摂取が多いとしています。日本の摂取量はこれらの国と比べると少ないのですが、推定で最大13万個と世界平均を大きく上回っています。
(2021年4月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)