マダニ感染症の急増

 国立健康危機管理研究機構の発表によれば、マダニが媒介するウイルス感染症である重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の今年の累計患者数が、速報値で135人に達しています。これまで最多だった2023年の134人を上回っています。

 ウイルスを持つ野生動物やマダニの分布域が拡大しているほか、SFTSの認知が高まり感染に気づきやすくなったことも、患者増加の背景にあります。マダニは春から秋に盛んに活動します。草むらでの活動や農作業では、肌の露出を避けるなどの対策を取ることが大切です。

 SFTSは、直接マダニに刺されるほか、感染した人や動物の血液などを介してうつることもあります。6~14日の潜伏期間の後、発熱や嘔吐、下痢、意識障害などを発症し、致死率は10~30%とされています。予防できるワクチンはなく、抗ウイルス薬が承認されています。

(2025年8月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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