メタバースは、ネット上の仮想空間全般をさす言葉として使われています。従来のスマートフォンやパソコンに加え、ゴーグル型の端末をつけて仮想空間を現実のように体験するVRや、現実の画像の上に仮想の画像を重ねるAR(拡張現実)などを使ってやりとりをします。コロナ禍でのリモートワークなどのデジタル化がその動きを加速させています。
メタバースは、物理空間とデジタル空間が融合するインターネットの未来です。ネットが全ての産業に影響を及ぼす可能性があります。メタバース市場は拡大し続け、世界におけるVRとAR機器の出荷は、2025年には5,000万台に達すると予想されています。
メタバースで想定される活用分野は広く、離島の医療現場での活用事例のように、仮想空間は様々な可能性が広がります。自分の分身のアバターを通じて、離れた場所にいる人と会議ができます。メタバースの世界を動かすもとになっているのが、今のネット空間をはるかに上回る膨大なデータです。専門家の間では、プライバシーやセキュリティーなど、幅広い問題が指摘されており、仮想空間の安全対策も必要になってきます。
(2021年12月19日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)