病気の予防や重症化するのを防ぐという機運が高まれば、自立して日常生活を送れる期間が長くなり、健康寿命が延びることになります。医療介護の減少に健康寿命の延長により、結果的に医療費の減少につながります。病気を予防するには、40~74歳を対象として実施される特定健康検査(メタボ健診)があります。今では医療費の3割を占める生活習慣病を対象として、2008年度に始まりました。健診と特定保健指導のセットで、発症と重症化を防ぐのが狙いです。
2013年度の検診実施率は、前年度比1.4ポイント増の47.6%、保健指導は同1.3ポイント増の17.7%に達しています。政府は70%の検診実施率を目標に掲げています。健診の実施率が上がると、短期的には医療費が増えるとの指摘もあります。予防や重症化防止のサ-ビスを受ける側にも、健康は自分で守るという意識を高めることが重要です。
(2015年9月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)