国は3ワクチン計1億4,500万人分の供給で海外メーカーと合意しています。米ファイザーのワクチンは、2月にも承認の可能性があります。国は接種費や体制の整備費を負担するため、2020年度予備費と3次補正予算で計6,000億円を計上しました。接種は、2月下旬以降に新型コロナ対応の最前線に立つ医師や看護師ら1万人が先行し、その他の医療従事者ら400万人が続きます。
高齢者や基礎疾患がある人らへの接種を担う市区町村は、準備を急いでいます。自治体にとっての山場は、3月下旬以降の高齢者3,600万人の優先接種です。ファイザー製は氷点下70度で保管しなければなりません。1,000回分が1セットで届き、解凍後の使用期限は5日と短くなっています。厚生労働省はファイザー用の冷凍庫だけで1万台確保し、人口比に応じて全市区町村に1台以上配分します。
接種会場は医療機関や集会所などが想定され、接種希望者がクーポン券を持ち出向く方式などを検討しています。しかし、市民に接種義務は無く、人数の予測が難しいほか、ワクチンが少量ずつ届いたり、生産が遅れたりする事態も心配されています。自治体へのワクチン供給が、予定より遅いなど様々な状況への入念な想定が必要です。
(2021年1月11日 読売新聞)
(吉村 やすのり)