ワクチンの日本での受託生産

英製薬大手アストラゼネカは、日本で新型コロナワクチンの量産準備に入ります。国内メーカーが近く受託生産を始めます。アストラゼネカのワクチンの日本での量産については、JCRファーマが持つ細胞培養向けの大型タンクなどの設備が貢献します。JCRファーマの作った原液を容器に充填する作業なども第一三共のインフルエンザワクチンの製造ノウハウなどが生きています。
アストラゼネカは、日本以外でも欧米やインドなど世界15カ国以上で新型コロナワクチンを製造し、合計30億回分の生産能力を確保しています。日本同様に、アストラゼネカから技術移管を受けた現地のパートナー企業が製造を担います。生産を他社に委託することで迅速に供給体制を整えるのがねらいです。現地企業の既存設備を活用することで生産コストの低減にもつながります。
EUの内部資料によると、アストラゼネカのワクチン価格は1回当たり1.78ユーロ(約224円)です。新興国など所得水準の低い国での普及も期待できます。世界的にワクチン争奪戦が激化する可能性もあり、生産の現地化は、各国の供給不安への対応策としても有効です。

(2021年1月28日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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