グローバル化した世界で急拡大した新型コロナウイルスに対して、人類は感染対策の切り札としてワクチンを開発しました。しかし、高所得国が急速に接種を進めた一方、低所得国では1回接種の人もまだ少ない状況です。感染拡大が続けば新たな変異株が出現する懸念もあり、ワクチン格差の解消は急務です。
自前のワクチン生産能力を持たない東南アジアでは、WHOなどが主導する新型コロナワクチンの共同調達の枠組みであるCOVAXファシリティーを通じて供給を受けてきています。しかし、COVAXの供給が予定通りに進まない問題に各国が直面しています。
アフリカも依然ワクチン不足が深刻です。アフリカ疾病対策センターのデータでは、1回以上接種した人は、全人口の約8.48%に過ぎません。WHOアフリカ地域事務局によれば、アフリカ全体で配られたワクチンは、1億7,740万回分です。うち約4割にあたる6,750万回分をCOVAXが供給しています。
(2021年10月31日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)