富士フイルムは、エボラ出血熱の治療にもつかわれているインフルエンザ薬や抗がん剤を手掛けるなど医薬品事業を強化しており、米国の企業を買収し、事業領域を広げる予定である。買収するケイロン社は、ウイルスや細菌の出入りを完全に遮断する最先端の稼働式クリーンルームを保有している。独立した小型クリーンルームを使い、製造するワクチンの種類を迅速に変えることができる。開発がすすめられているエボラ出血熱のワクチンを製造することも可能と見込んでいる。
これまでわが国のワクチン製造を含めたバイオ医薬品の開発・受託製造事業は遅れをとっていた。こうした事業が日本でも展開できるようなシステム作りも必要である。
(2014年10月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)