一人暮らしの高齢者

 一人暮らしの高齢者は増え続けています。国立社会保障・人口問題研究所によれば、2035年には65歳以上の独居高齢者は762万人になると推定されています。高齢世帯の4割近くが一人暮らしになる見通しです。また東京23区だけで、14年に2885人の高齢者が孤独死しています。
 地縁や血縁が薄れゆく中、激増する一人暮らしの高齢者の老後をどう支えていくかは重要な課題です。非正規雇用しか経験せずに高齢期を迎える人が増え、社会的に大きなリスクになると思われます。厚生年金がなく、月6万円強の基礎年金を頼りに生活するのは厳しいものがあります。介護サービスを満足に受けられない人も増加します。お金がないだけではなく、助けを求められる人間関係もないというダブル貧因が、孤独死につながります。助け合える近所の人や相談できる友人など、家族以外の付合いが必要になってきます。

(2016年2月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。