上司の理解と職場満足度

カオナビHRテクノロジー総研の調査によれば、上司から理解されていないと感じる従業員で、職場に満足と答えた割合はわずか6%でした。一方、上司に理解されていると感じている従業員は、68%が満足していました。上司は自分を理解していると答えた部下は、約42%と半数以下にとどまり、理解していないが約25%、どちらでもないが約33%でした。
部下が上司に理解してほしい点のトップ3は、①これまでの業務、②業務への希望・不満、③性格です。1990年代初頭のバブル崩壊後、四半世紀にわたって多くの日本企業は成果主義を標榜しており、自分が担当して結果を出してきた業務について理解を得たいとしています。②③も、自分に合う業務を担当したいという前向きの思いの表れとみることができます。
社内公募制や新事業提案制で従業員個々のやりがいを重視する動きは出始めているものの、組織の方向性と部下の要望が一致することは多くありません。部下を勇気づけるのは、上司による丁寧な説明や方向づけです。組織が踏み出すためにも、日頃の部下との関係構築は重要です。

(2021年10月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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