不整脈の治療

心臓の拍動に異常をきたす不整脈は、高齢化とともに患者数が増えています。注意すべき不整脈は、心房細動と致死性不整脈です。心房細動は、電気的な異常で心房が細かく震える状態です。すぐに心臓が止まることはありませんが、心臓が疲弊して心不全になったり、血栓ができて脳梗塞を起こしたりします。症状の緩和を目指す薬物療法や、心房細動の原因となる部位を焼いて根治を目指すカテーテルアブレーションなどで治療します。
カテーテルアブレーションは、細い血管から通して心臓を治療する技術で、心房細動以外の不整脈治療でも使われます。バルーンやレーザーを使った新たな機器も登場しています。心房細動などの不整脈では、血栓予防も必要になります。抗凝固薬には古くからワルファリンが使われてきました。最近では使いやすい直接経口抗凝固薬が広まっています。
致死性不整脈は、心室細動や心室頻拍です。心臓がけいれん状態に陥る心室細動は、最も危険な不整脈です。自動体外式除細動器(AED)による救命措置などを行わないと、わずか数分で死に至ります。心室細動を経験したり、危険なタイプの心室頻拍と判断されると、自動的に電気ショックを与えて正常な状態に戻す植え込み型除細動器を胸に入れ、不整脈の発作に備えることもあります。

(2018年3月4日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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