単身世帯の増加
人口動態の変化は、世界各国・地域の家族のかたちとも密接に絡んでいます。世界でいま増えているのは単身世帯です。日本や欧州では、すでに単身世帯が全世帯の3分の1を占める状況になっています。一人暮らしの増加は人口動態の縮図であり、都市化や女性の社会進出などを背景に晩婚化や少子化が加速しています。結果として高齢化と単身世帯の割合に強い相関関係が生まれています。
アジアをはじめ新興・途上国でも、これから大都市とその周辺で一人暮らし世帯が増えていきます。日本では、2040年に全世帯の39.3%が一人暮らしになります。一人暮らしの増加は、消費のかたちを変えていく可能性も出てきます。単身世帯が増えて孤食が広がり、消費者のニーズに変化が出てきます。
(2021年12月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)