世界の富裕層の流出

 国外に流出する富裕層の数が、2025年に全世界で過去最多の14万2,000人となる見通しです。富裕層に厳しい税制を導入した英国が、中国を上回って最大の流出国となります。移動する英国の富裕層の総資産は、およそ918億ドル(約13兆円)と試算されています。流入先では中東や米国、イタリアが上位に並びます。英政府は、海外所得への優遇措置の廃止を2024年に決めました。世界中に金融資産を持つ富裕層に厳しい税制となったことが流出につながっています。

 中国やインドからの富裕層の流出は減速しています。これまでは安定した社会基盤や洗練されたサービスを求めて先進国に移る富裕層が多かったのですが、国内経済の発展で先進国との差が縮まってきたことが背景とみられます。国内経済の信頼感が過去より増しています。

 米国ではトランプ政権の誕生に伴い、海外への移住を検討する富裕層が増えました。新興国から流入する富裕層が依然として多いため、全体でみれば流入国となっています。

(2025年6月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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