世界の旅行者数の増加

 国連世界観光機関によれば、2024年に世界の海外旅行者は推定14億人に上り、コロナ前の99%の水準まで回復しました。世界の観光業の総輸出収入も1兆9,000億ドル(約270兆円)と過去最高が見込まれています。世界の観光需要がコロナ禍から回復してきた一方、出入国在留管理庁によると日本の出国者数は1,300万人とコロナ前の65%の水準に伸び悩んでいます。直近の円安基調や世界的なインフレが、海外旅行控えも生んでいます。

 大手旅行会社はコロナ禍の業績悪化により、海外拠点の多くで統廃合や撤退を余儀なくされました。国内の収益力が完全に回復しない中で、海外拠点の拡充に投資するには資金も人材も限られています。柔軟な営業網の構築がこれからの旅行各社の競争力を左右しそうです。国内の大手旅行会社が海外拠点で外国人旅行者の需要開拓を急いでいます。背景には日本から海外への旅行関連の売上高が、新型コロナ前から回復していないことがあります。

(2025年4月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です