世界のCO2排出シェア

 温暖化ガスの排出削減に向けた世界の動きが鈍く、国連の国際枠組みが義務付ける新たな削減目標は、8割以上の国・地域が未提出のままです。2035年時点の削減目標を含む5年ごとの排出削減目標を提出したのは、日本や英国、カナダなど28カ国にとどまっています。

 未提出の中には、CO2排出量の多い中国、EU、インドも含まれています。排出量が最も多い中国は、現時点で新たな目標は出していません。中国政府は2030年までにCO2の排出量をピークアウトさせ、2060年までに実質ゼロとする目標を掲げています。

 各国・地域では、具体的な環境規制や企業のコスト負担といった現実的な問題に直面しており、気候変動対策への機運が下がってきた側面があります。11月のCOP30では、産業革命前からの世界の平均気温上昇を1.5度までに抑えるというパリ協定の目標を達成するために、さらなる温暖化ガスの排出削減が議題となります。

(2025年9月12日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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