中咽頭がんは、口を大きく開けた時に口の奥にみえる場所で、軟口蓋、扁桃、後壁、舌根からなります。頭頸部がんのうち、中咽頭にできるものを中咽頭がんと呼びます。最近、中咽頭がんはヒトパピロ-マウイルス(HPV)との関連が注目されています。HPVは子宮頸がんの原因ウイルスとして知られていますが、中咽頭がんなどへの影響も注目されるようになっていています。
がん研究会がん研究所にチ-ムは、119人の中咽頭がんのがん組織を調べました。そのうち74人のがん細胞でHPVの感染がみられました。HPVには100種類以上のタイプがありますが、子宮頸がんを起こすことで知られている16型が85%を占めていました。74人の内訳、男性59人、女性15人です。HPVは関係ないと思っている男性がいるかもしれませんが、そうではありません。米国では男性もHPVワクチン接種を受ける人が増加しています。
(吉村 やすのり)