中国の出生数の減少

 2017年の中国の出生数は、前年より63万人少ない1,723万人でした。全ての夫婦に2人目の子どもを認める二人っ子政策が始まった2016年は大幅に増えましたが、早くも政策効果が消えつつあります。60歳以上の高齢者が全人口に占める割合は上昇しており、中国でも少子高齢化が顕著です。2016年の出生数は前年比131万人多い1,786万人であり、1999年以来の高水準でした。
 原因の一つは教育費の高さです。塾や習い事の費用がかさみ、都市部では2人目の出産に慎重な家庭が多くなっています。中国では大部分の家庭が夫婦共働きですが、手ごろな価格で安心して子どもを預けられる幼稚園も足りません。20歳代の女性の数も減り、都市部で進む晩婚化や非婚化も影響しています。一方、高齢化は加速しています。全人口に占める60歳以上の高齢者の比率は、前年より0.6ポイント高い17.3%に上昇しています。日本と同様、少子高齢化で年金や医療保険をはじめとする社会保障財政は悪化してゆくことが予想されます。

(2018年1月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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