中高年世代の副業の増加

会社員として長く働いてきたけど、居場所がない、仕事にやりがいを感じられない、こんな中高年世代が、働き方や生き方を見直すきっかけとして、副業が注目されています。総務省の2017年の就業構造基本調査によれば、副業をしている人は約268万人です。働いている人の4%であり、2012年の調査から0.4ポイント上昇しています。副業や兼業をしてみたいと思ったきっかけを聞いたリクルートの調査では、自分のキャリアを見つめ直したが約3割と最も高くなっています。
副業・兼業の解禁に慎重な企業も多いのですが、政府は2017年の働き方改革実行計画で副業の推進を掲げ、副業を後押ししています。翌年には副業促進のためのガイドラインも策定されています。中年期以降をターゲットに、キャリアを支援する動きも広がっています。副業する人が増えるのに伴い、収入だけでなく、スキルアップや自己実現を目的にした副業が広がり、キャリアを支援する事業の市場も拡大しています。
副業で仕事を増やすことで長時間労働につながり、ワーク・ライフ・バランスが崩れやすくなる可能性があります。家事や子育て、介護などをしながらだと自分の時間を確保ができなくなることから、自分で労務管理を意識したり、家族や本業の勤務先と相談や状況の共有などをしたりすることが大切となります。

(2023年1月30日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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