日本の賃金は伸び悩みが続いています。時に、大きなしわ寄せを受けているのが40~50代などの中高年層です。年功型賃金の影響で賃金水準が高く、企業の総人件費抑制の主な対象となってきています。社員の高齢化で管理職に就けない人も増えています。総人件費抑制の照準が相対的に賃金が高い中高年層に向いてきています。年功型賃金を前提に企業経営を考えることが、時代に合わなくなってきています。
少子高齢化やバブル崩壊後に採用数を絞った影響で、企業内では短期間のうちに人材の高齢化が進んでいます。大卒の男女について一般労働者の年齢別割合を見ると、40歳代以上の割合は、2000年の39%から2018年の49%へ10ポイント上昇しています。
管理職になれない中高年も増えてきています。2000年は、大卒男性で50歳代の55%が課長以上に昇進していましたが、2018年は44%にとどまっています。大卒の中高年社員が増えたことで、大半の人が役職に就ける時代は終わっています。
(2020年3月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)