乳がんは、年間約8万人が発症し、女性がかかるがんの中で最も多く、12人に1人の女性がかかるとされています。国は40歳以上の女性に対し2年に1回、マンモグラフィ-などによる健診を推奨してきました。しかし、乳腺の組織が多い若い女性などでは、マンモグラフィ-でがんを見分けるのが難しい例もあります。乳がん検診でマンモグラフィ-(乳房エックス線撮影検査)に超音波検査を組み合せることにより、効果的にがんを発見できることが厚生科学研究で明らかになりました。
2007年~2011年、全国の40代女性約7万6千人を対象に大規模調査を実施しています。マンモグラフィ-のみ受ける単独群と、超音波も併用する群の2つに分け、がん発見率などを比べました。単独群でがんが見つかったのは117人で、発見率は0.33%、併用群では同184人で、0.5%と約1.5倍の発見率を示しました。一方、がんの疑いがあるとして精密検査が必要と判断された人は、単独群で8.8%でしたが、併用群では12.6%に上昇しました。
(吉村 やすのり)