乳がんの転移の診断

乳がんは血流に乗って骨や肺などに転移します。最初にがん細胞が流れ込むのが、わきの下のリンパ節です。触診や超音波検査で転移が見つかれば、わきの下を切開し、周囲の脂肪を含めて広く切除するリンパ節郭清手術を行います。術後は腕のむくみや感覚障害、しびれなどの後遺症に悩まされる患者が多くみられます。
かつては大半の患者が郭清手術を受けていましたが、20年ほど前から、がん細胞が最初に流れ込む2~3個のリンパ節を摘出して調べるセンチネルリンパ節生検が普及してきています。ここに転移がなければ郭清は行いません。画像だけで転移の有無を見極める方法が開発されています。しこりの周辺に造影剤を注入し、コンピューター断層撮影法(CT)で、1番目のリンパ節を特定します。次に、別の造影剤を注射し、磁気共鳴画像(MRI)で撮影することにより転移の有無が確認できます。

 

(2017年10月8日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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