乾布摩擦の効果

 寒さやストレスで血管が収縮すると、血行不良で体に必要な酸素や栄養分が行き渡りにくくなります。体温も低下してしまい、体調を崩す原因になります。乾布摩擦は乾いた手ぬぐいやタオルといった布で上半身などの肌をこする民間療法です。乾布摩擦をすれば皮下にある毛細血管が刺激で拡張し、血の巡りが良くなり体もポカポカします。自分で体を動かすことも、ストレッチ運動のようになって体を温めてくれます。
 摩擦で血管が拡張してストレッチ効果も加わり体の緊張が緩みます。体も温かくなることで、体をリラックス状態にしようとする副交感神経も一緒に活発に働くようになります。自律神経のバランスが良くなれば、冷え性の改善だけでなく、風邪などの疾病予防、首や肩のこり緩和、便秘の解消など様々な効果が出てきます。乾布摩擦は、一般的に寒空の下で上半身裸になっている印象が強いのですが、体調を崩したり、皮膚を傷めたりすることもあります。肌を刺激できれば、Tシャツなどの上からでも効果はあり、家の中で行っても構いません。

(2017年12月28日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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