肌がカサカサに乾くのは、角質層のバリア機能が低下しているためです。肌の一番表面にある角質層は、乾燥や紫外線などの外的刺激をブロックし、同時に肌内部の水分を逃さない役割を担っています。こうしたバリア機能が正常に働くには、角質細胞の隙間をセメントのように埋めて、細胞同士を密着させる角質細胞間脂質であるセラミドが十分にあることが必要です。
早春の肌には、冬の乾いた外気や室内の暖房による乾燥ダメージが蓄積しています。低気温が続いたあとの血行不良が加わり、角質細胞間脂質が減ってしまいます。細胞の間がスカスカになると、本来のバリア機能が発揮されず、肌がさらに乾燥したり、刺激に敏感になったり、負のスパイラルに陥りやすくなります。乾燥した肌の水分量を増やす保湿ケアが大切となります。減ってしまった自身のセラミドは、セラミド配合化粧品で補う必要があります。
(2018年2月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)