予防医療の財政支援強化

公的医療保険と介護保険の運営主体による病気・介護の予防事業を促すため、優良な地方自治体や企業健康保険組合への財政支援を強化する方針を決めました。健康寿命を延ばし、社会保障費の増大を抑制するのが狙いで、2020年度から段階的に実現します。厚生労働省などは、予防で発症や重症化のリスクを減らせる生活習慣病に照準を合わせています。2015年度に保険診療で医療機関に支払われた医科診療費30兆461億円のうち、がんや糖尿病などの生活習慣病は34.5%を占めています。
政府は、病気・介護の予防強化で健康寿命を延ばし、元気な働く高齢者の増加を図ります。医療・介護費の抑制と、保険料や税金の担い手確保を同時に実現する狙いがあります。これまで公的保険は、病気の治療費、要介護の方の介護サービス費を中心に支出してきましたが、人生100年時代を迎え、病気予防や介護予防の役割が増加しています。

(2019年3月21日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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