国土交通省は、交通事故による脳損傷で障害を抱えた人への生活支援を強化します。両親などの介護者が亡くなった場合、速やかに地域の介護施設などで暮らせるようにし、受け入れ施設に費用を補助します。対象になるのは、交通事故で脳に損傷を負って自力での移動や食事が困難となり、国が介護料を支給する人です。国土交通省によると、介護料受給者は2016年度で約4,600人おり、自宅で家族などの介護を受けて暮らしています。
家族が一時的に介護を休んだり不在にしたりする際は、食事や排せつなどを介助する短期入所施設を利用することができますが、家族が病気になったり亡くなったりした場合には、長期間利用できる施設を探さなければなりません。国土交通省が支援を強化する背景には介護者の高齢化があります。受給者を介護しているのは60代以上が約6割を占めています。
(2017年10月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)