安倍首相の看板政策である人づくり革命の柱となる幼児教育・保育無償化の具体化に向けた議論が開始されました。同時に政府は、大学など高等教育の無償化も政策パッケージに掲げています。文部科学省は、関係部局による専門チームで制度の検討を始めており、近く幼児教育とは別の有識者会議を設置します。
最大の課題は、無償化する学生や受け入れる大学の選定要件です。住民税非課税世帯が対象となる見通しですが、単なるバラマキでは低質な学生や大学の増加につながりかねないとの批判の声も大きくなっています。学生の学習意欲確認のため、入学後の単位数や平均成績などに要件を設けるほか、大学側にも①外部理事の任命、②厳格な成績管理などを課す方向です。無償化の具体的な内容についても、国立大学の授業料免除以外、私立大学や短期大学、高等専門学校などの扱いは決まっていません。
（2018年1月24日 読売新聞）
（吉村 やすのり）
