人づくり革命

 安倍晋三首相は、28日召集の臨時国会冒頭に衆議院を解散すると表明しました。201910月に予定する消費増税の使い道を広げ、幼児教育の無償化など新たな看板政策である人づくり革命に充てる意向を示し、衆議院選挙で国民の信を問うと訴えています。子育てをする現役世代の負担軽減が中心となっています。35歳の幼児教育・保育の無償化に約7,000億円、待機児童対策には約3,000億円を投じます。残りの約1兆円は低所得世帯の大学無償化や介護人材の賃上げによる処遇改善などにあてます。
 必要な財源は201910月に予定する8%から10%への消費増税の使途の見直しで大半をまかなうことになります。2兆円は人づくり革命にあて、残り2兆円超は借金返済に回します。消費増税による財源の使途拡大は、安定財源を確保できて、子育ての充実と財政健全化に配慮した形になります。急速に進む少子・高齢化を克服するためには、若い世代に対する支援が大切となります。高齢者に対する支援も必要ですが、保育・幼児教育に対する負担軽減は最優先課題です。この人づくり革命は大いに評価されて良い政策です。

(2017年9月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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