人口の東京一極集中が止まりません。2018年の転出入で、東京圏1都3県の日本人の人口は、13万5,600人増加しています。増加は23年連続で、ここ5年で最大であり、43道府県すべてから、東京圏に人口が流出しています。どの道府県から東京圏に流出が多いのかをみると、最多は大阪府で1万1,599人に達しています。愛知、兵庫が続き、1千人以上の流出が36道府県に及んでいます。
大阪府は、近畿や中四国を中心に東京圏と愛知、沖縄を除く40道府県から計1万7千人以上を集めています。大学入学生が多いため、その7割が卒業後などに東京圏に流出してしまいます。愛知県にも、東京圏と京都、茨城を除く40道府県から合計1万2千人以上が流入していますが、その8割にあたる1万人弱が、東京圏に流出しています。労働力不足で東京圏が地方に人を求める傾向は強まっています。働き手も好待遇を求め、所得がより高いところに引き寄せられています。人口減が進む中、東京圏の一人勝ちが際立っています。
(2019年2月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)