人口減少下での女性登用の必要性

内閣府の資料によれば、2019年時点で米国やスウェーデンでは同比率が40%を超えているのに対し、日本は10%台にとどまっています。英国やフランスも35%前後のため、日本の低さは際立っています。衆院議員の女性比率でも欧米諸国が20~30%台なのに日本は10%にも満たない状態です。世界各国の男女平等がどれだけ実現できているかを数値にしたジェンダー・ギャップ指数で、日本は調査対象の156カ国中120位だった。主要7カ国(G7)の最下位であり、アジアでも中韓の順位より低い状況です。

わが国では、地方で人口減少が加速する中、女性を管理職に積極登用することで経済や社会を活性化させる取り組みが中国・四国や九州などで進んでいます。地域別でみると中国・四国が17.8%でトップで、九州・沖縄、関西と続いています。女性社長比率調査でも、徳島県や高知県、熊本県などが高く、国勢調査の結果と同様、西日本優勢の状態が続いています。
地方では、若い女性が東京など大都市圏に流出し、人口減と経済低迷に拍車をかける悪循環になっていました。西高東低で始まった地域発の改革の動きが、世界から出遅れた日本の男女格差解消へのけん引役になりそうです。

 

(2021年5月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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