人工乳房(インプラント)が、2014年1月に公的医療保険に適用されて以降、再建手術を受ける患者が増えています。乳房再建には、インプラント手術のほか、自身の背中や腹の筋肉や、脂肪組織を乳房に移植する手術があります。費用はそれぞれ保険適用(3割負担)で、ほぼ同じ30万~60万円前後です。感染症のリスクのほか、放射線治療後のインプラントは難しいとされています。
医療機関がインプラントで公的医療保険を使うためには、日本乳房オンコプラスティックサージャリ―学会の認定が必要になります。学会の推計によると、手術の大半は都市部で実施されており、うち東京に約3割が集中しています。形成外科医が手術を行うため、地方では実施できないこともあります。最近の乳がんの治療においては、再発の可能性を考え、部分切除より全摘出を行う施設が多くなっています。またコスメティックな観点からも、部分切除により乳房に変形が起こるため、全摘出後のインプラントによる再建が主流となりつつあります。
(2016年1月19日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)
アーカイブ
カテゴリー
カレンダー