リクルートワークス研究所の未来予測2040によれば、2040年に1千万人以上の人手不足になるとされています。年々外交人労働者数は増加していますが、国際協力機構の推計によれば、現状の受け入れ方式では、2040年に外国人労働者が42万人不足するとしています。今後は外国人労働者の定住化の促進が鍵になります。
人手不足の状況下で、人に代わって働くロボットの必要性は年々高まっています。自動車や半導体などの製造現場で活躍してきた産業用ロボットは、2022年の生産額が1兆円を超えました。小型化が進み、人から隔離して設置しなければならなかった規制も緩和されました。工場の生産ライン以外にも利用が広がり、ビジネスチャンスにつながっています。
2040年に製造業関連で112万人の労働力が不足するとされていますが、これまでロボットは、品質の安定や生産性の向上などで注目されてきましたが、人手不足の視点から見直されるようになっています。製造業だけでなく、物流、建設分野など様々な分野で、自動・省人化技術の開発が進んでいます。AIの導入で、人間しかできなかった複雑な作業をこなすロボットも増えてきています。
人手不足によって、ロボットが社会の様々な場面に登場するのは間違いありません。経済産業省は、ロボットを導入しやすい環境をロボットフレンドリーと呼び、企業に業務プロセスや施設環境の変化を促し始めています。まずは負荷がかかる部分をロボットに任せ、外国人労働者を含めた人の労働環境を改善するといった地道な積み重ねが大切です。ロボットや外国人労働者が人手不足の打開のためのゲームチェンジャーになりうるかどうかは、多様なルーツを持つ人たちの力を生かす、包摂性のある地域づくりが鍵となります。
(2024年1月10日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)