2度目の緊急事態宣言(1月8日)以降でみると、1月13日~3月15日に発生したクラスターは計1,504件です。うち高齢者施設が485件全体の3割を占め、医療機関(308件)や企業(223件)、飲食店(142件)を大きく突き放しています。感染への警戒感から、デイサービスなどの利用者は減少しています。感染対策と施設運営の両立を迫られる現場は疲弊し、利用減による経営への打撃も深刻です。
緊急事態宣言が解除されても、高齢者施設でクラスターが発生すれば病床使用率を押し上げかねません。4月から始まる65歳以上の高齢者対象の新型コロナウイルスワクチン接種が始まります。高齢者のみならず、クラスターを防ぐためには高齢者施設のスタッフのワクチン接種は必須です。
(2021年3月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)