今年の世界の実質経済成長率

国際通貨基金(IMF)は、今年の世界の実質経済成長率を3.1%と見込んでいます。米国経済の底堅さなどを背景に、昨年10月の見通しから0.2ポイント引き上げています。しかし、コロナ前に比べると低水準で、各地の紛争などで物価高が再燃すれば、成長率が下押しされる懸念もあります。
米国を前回見通しより0.6ポイント上方修正して2.1%、中国は0.4ポイント上方修正して4.6%としています。米国では、連邦準備制度理事会がインフレを抑えるために一昨年から進めてきた利上げの影響が本格的に出て、経済が冷え込むと予測しています。中国では不動産不況による消費の停滞を見込んでいます。
ユーロ圏の今年の成長率は、前回見通しより0.3ポイント下方修正して0.9%としています。ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格の上昇に苦しんでいます。日本は、前回見通しより0.1ポイント下方修正され0.9%と見込んでいます。昨年の1.9%から大きく減速します。コロナ禍で後ずれしていた消費や企業の投資が、一巡したとみられるためです。
世界の成長率は、2000~2019年の平均で3.8%でした。コロナ禍で2020年は2.8%減とマイナス成長に陥り、2021年は反動増で6.3%となったものの、その後は停滞が続いています。

(2024年1月31日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。