今年の夏の異常気象

気象庁の見解によれば、7月後半以降の記録的な猛暑について、太平洋高気圧の張り出しが強まったことに加え、持続的な温暖化の影響があったとしています。今年の気温は歴代と比較しても圧倒的に高く、今夏の日本の平均気温が、1898年の統計開始以降で最高となる見込みです。7月は、平均気温が平年を示す基準値(1991~2020年の平均)を1.91度上回っています。
台風4、5、6号が続けてフィリピン付近を北上し、周辺の対流活動が平年と比べ活発化し、太平洋高気圧の日本付近への張り出しが強まりました。日本列島付近の上空を西から東へ流れる偏西風である亜熱帯ジェット気流も北へ蛇行し、暖気を伴った背の高い高気圧に覆われました。
また三陸沖の海水温が高く、北日本の記録的な高温に影響した可能性があります。北陸では、山を越えた熱風が吹き下ろすフェーン現象の影響で猛暑が続いた一方、雨が降らず農業被害は出ています。特に北日本の高温は特筆すべき記録的なもので、異常でした。

(2023年8月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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