人材会社アデコの調査によれば、親族の介護を経験した管理職の約半数が、退職を検討しています。休暇などの制度は6割超が利用しにくいと答えています。いずれも2017年の前回調査とほぼ同様の結果となり、改善がみられません。
介護に関連して、休暇制度や勤務に関する制度を利用しづらいと思ったことがあると回答したのは、64.5%にも達しています。制度を利用しにくいと答えた人に理由を尋ねたところ、自身の業務に支障が出るが最も多く、部下の業務に支障が出る、管理職で介護を理由に休みを取る人がいない、休みを取りにくい雰囲気があると続いています。
管理職は、介護と仕事の両立に加え、介護に携わっている部下に配慮する役割も求められるので、負担がより大きくなっています。責任感が強い人ほど、仕事を抱え込みすぎる悪循環に陥っている傾向があります。
(2022年3月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)