介護職員による虐待

 介護職員による高齢者の虐待が増加しています。全国に1万施設近くある有料老人ホームは、異業種からの参入が多く、14年までの10年間で約10倍になっています。それに伴い虐待件数も増えています。厚生労働省の調査によれば、確認された介護職員の虐待は300件で、前年度より35.7%増加しています。
 知識・技術不足やストレスなどを虐待の要因とする事例が多く、深刻な人手不足にあえぐ介護現場で経験の乏しい職員に頼っていることが原因となっています。今後さらに高齢化が進む中、介護の重要性や必要性はさらに増してきています。異業種からの老人ホーム経営参加はやむを得ないところがありますが、開設のための基準の見直しも必要となってきます。

(2016年2月17日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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