企業の健康経営の取り組み

 健康経営に積極的に取り組む企業を顕彰する国の制度で健康経営優良法人と認定された中小規模法人は、2023年度で1万6,733件と2022年度比で19%増えています。2016年度の制度開始以来、中小企業の認定件数は増え続けています。

 しかし、事業規模によって温度差があります。帝国データバンクによれば、健康経営に取り組んでいると答えた企業は、従業員数1,000人超の大企業が82.6%なのに対し、中小企業が54.1%、5人以下の零細企業となると40.7%にとどまっています。病気の治療と仕事の両立支援やメンタルヘルス対策、運動の推奨など多岐にわたるため大企業に比べて、中小企業の取り組みは遅れています。経営者の意識改革が必要となります。

 健康経営に消極的な理由は、適当な人材確保が困難が39.0%で最も多く、効果的な実施方法が分からないが37.3%、費用対効果が分からないが29.3%と続いています。健康経営の取り組みはすぐには収益に結びつきませんが、10~20年先の会社を守ることにつながります。積極参加を促すためには社員の理解も欠かせません。社員の健康は最優先事項とトップが覚悟を決めれば、健康経営は中小にも一段と広がります。

(2025年2月5日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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