住宅ペアローンの増加

 住宅金融支援機構の全国調査によれば、夫婦などのペアローンや収入合算を合計するとやはり40%程度に達しています。ペアローンでかつ返済期間は一般的な上限である35年を超え、最長で50年といった超・長期返済を選ぶ割合も6%弱になっています。20代に限ると、ペアローンかつ35年超の割合は10%を超えています。

 リクルートによれば、2004年の新築マンション購入者では夫婦のペアローン利用率が首都圏で37%、関西圏で25.2%と、2018年の調査開始以来最高となっています。これとは別に夫婦の一方が契約し、他方は連帯債務者などになる収入合算もあり、合わせると首都圏の利用率は約40%になります。

 夫婦で借りれば借入額を増やせます。20代では単独借入時に比べ、ペアローンは中央値で1,000万円以上増額になります。さらに返済期間を長くすれば、毎月返済でも抑制できます。しかし、総利息は超・長期返済の方が膨らみます。若く相対的に低収入の間は、夫婦で必要なローン額を確保し、超・長期返済で毎月負担を抑え、出産などを機に返済途中で売却し、より広い住宅に移るといった若い世代の行動の背景にはこんな計画が見え隠れします。

(2025年7月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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